発行日:
ペットとドライブvol.2~愛犬の車酔いを防ぐ運転とは

「ペットとドライブvol.1」では、獣医師の石田陽子先生に愛犬の車酔いについて伺いました。「vol.2」では、愛犬にも優しい運転を考えます。石田先生によれば、車酔いの原因は、人間と同じように、揺れを感じとる三半規管からの情報と、ペット自身に見えている状況から得る感覚のズレが脳で消化しきれずに気分が悪くなるということでした。なので、クルマの揺れをなるべく抑えて、発進・停止も滑らかに、つまりベテランドライバーのような運転が大切ということです。「実は運転が苦手」という飼い主さんには、気が重くなってしまうお話だったかもしれません。でも、ご安心ください。そんな皆さんには、ASV(先進安全自動車)またはADAS(先進運転支援システム)と呼ばれる機能がきっと味方になってくれるでしょう。ここではそんなASV/ADASの機能とペットとのドライブの関係を紹介します。
■レーンキープアシスト(LKAS)
レーンキープアシストは、クルマがセンサーで車線を検知し、車線中央を走行するようにハンドル操作をアシストしてくれる機能です。運転しているとだんだん車線のどちらかに寄って行ってしまって、その度にゆらゆらとコースを補正するなんてこと、ありませんか? LKASは、しっかりとしたコース取りで、運転初心者にありがちな無駄な揺れが抑えられます。第1部でもお伝えした通り、愛犬にとってクレートやキャリーケースの中で視界が遮られた状態での揺れは車酔いの原因になります。LKASで車線中央を安定して走行できれば、愛犬も安心です。
■アダプティブクルーズコントロール(ACC)
ACCは、高速道路でドライバーが設定した速度で走行し、前走車がいる場合は一定の車間距離で追従し走行するように自動で速度を調節する機能です。運転苦手ドライバーにとって、自分ではペダルの踏み方は一定のつもりでも、ついスピードが出すぎていたり、急に前の車に近づいてしまうということもあると思いますが、ACCがあればそうしたことは抑えられます。特に渋滞では、運転苦手ドライバーは「グンと発進・ガクンとブレーキ」なんてことをやりがちです。その度に、愛犬はクレートの中で健気に足を踏ん張っているのです。ACCが滑らかなストップ&ゴーを実現してくれれば、そうした心配もなく、愛犬も喜んでくれるでしょう。

■駐車支援システム
運転苦手ドライバーの最大の難関が駐車でしょう。第1部の石田先生によれば、クルマが駐車体制に入ると、愛犬は到着を察知して「降りたい」モードになることがあるそうです。そんな時に、何度も切り返してモタモタしていると、愛犬に申し訳ない気がして、ますます焦ってしまったり。そんな時には駐車支援システムが役に立ちます。JAFの調べ では、駐車支援システムとベテラン運転手のJAFインストラクターが同条件の下で駐車にかかった時間はほぼ同じで、一方、運転が苦手というモニターさんが駐車にかかった時間は、システムやインストラクターの2倍だったとか。愛犬のためにも素早く駐車を終えて、狭いケージから解放してあげたいですよね。そんな時には、駐車支援システムが頼りになります。
これらのシステムは自動運転ではないので、やはり飼い主さんが愛犬のために優しい運転をすることが一番です。でも、運転は苦手という飼い主さんはぜひ試してみてください。愛犬に優しいだけではなく、安全運転にもつながります。
ASV(先進安全自動車)/ADAS(先進運転支援システム)と呼ばれる機能を利用して愛犬と一緒に「Drive Safe!(安全運転で、行ってらっしゃい!)」

vol.1に続いて愛犬の車酔いについてのお話。ASV/ADASを利用することで車酔い防止に役に立つかもしれません。

これまでさまざまな業種・企業で広報・IR・渉外を担当。フォードジャパン、トヨタ自動車、フォルクスワーゲングループジャパンという日米欧のマスブランドの自動車会社に勤務した経験を持つ。政府の自動運転プロジェクト「SIP-adus」の広報担当を経て、現在はASV推進計画の広報担当に。運転に自信のないドライバーの視点で発信。