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試乗体験

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運転苦手のドライバーが最新のACCを使ってみた!

運転苦手のドライバーが最新のACCを使ってみた!

ホンダ・N Box篇

今回は、運転に自信がないドライバー(私)が、助手席にあの清水和夫氏を乗せて、最新のASVを試してみるという挑戦的な企画です。私が普段乗っているクルマは、カーシェアのコンパクトサイズばかり。しかも月に1-2度程度しか運転しないので、試乗当日は結構ナーバスになっていました。動画をご覧いただくと、運転中の肩にとても力が入ってしまっているのがよく分かります。

1台目に試乗したのは、ホンダ・N Box。慎重に走り出し、いよいよ高速道路へ。そもそも交通量の多い雨の高速道路にすでにビビりになっているところへ、清水さんからACCの設定方法について矢継ぎ早に指示が飛ぶ。「え?どれどれ?」と緊張マックスになりながらも、無事、制限速度の時速80キロに設定完了。すぐにクルマが反応し、先行車への追従が始まりました。設定した速度は時速80キロですが、先行車がそれよりも遅い速度で走っている場合は、それに合わせてクルマが自動で速度を調整します。途中、左からの合流地点でカットインしてくるクルマに、自分の感覚で早めにブレーキを踏んでしまったら、ACCが解除されてしまいました。しかし、その時は、ドライバーの操作がプログラムをオーバーライドすることを知らずに、アクセルを踏まずにいたため、どんどん速度が落ちて、後続車に迷惑をかけてしまいました。ごめんなさい。

その後は、ACCに任せて走行を続けましたが、ここで疑問。自分の右足は、この場合どこに置いておくのが良いのでしょう。答えは清水さんから、「ブレーキペダルに合わせて、いつでも対処できるようにすること」 なるほど、勉強になります。

ACCが作動している時の車線内の位置取りは、LKASがしてくれます。しかし、ここで違和感がありました。私の普段の感覚よりも左に寄っているように感じたのです。それで、自分でステアリングを操作して、普段の位置取りを清水さんに見てもらったところ、「LKASが正しい」。つまり、私はいつも右に寄りすぎて走っていたということです。そんなことを気づかせてもくれるので、システムに運転クリニックをしてもらっているような楽しさもありました。

それにしても、N BoxのACCは、軽自動車なのにこの精度。素晴らしい!

その後、高速を降り、一般道へ。前方の交差点の信号が赤のため減速したのですが、この日は雨だったため、路面が濡れて停止線がよく見えません。それでも信号機との距離感で判断してブレーキを踏み始めたのですが、タイミングが遅すぎて、停止線ぎりぎりのところで急ブレーキを踏むはめになってしまいました。信号機はまだ先の方にあるので、減速せずに走っていたら、いきなり交差点の入り口に達していたという状態です。「ん?なんで?」と思っていたら、清水さんから、「この辺りの道幅は広いので、交差点の信号機の位置が普段よりも遠くなっている。なので、普段の距離感でブレーキを踏むとタイミングが遅れる」とのご指摘。清水さんによると、海外では、信号機の位置は交差点を渡った向こう岸ではなく、手前側に設置されているとのこと。確かに、それならば、道幅によって距離感が変わることはないでしょう。それにしても、この日は、同乗者一同ガックンとなるようなブレーキを踏んでしまいましたが、普段はもっと優しく重力を感じないブレーキを心掛けております。

スバル・レヴォーグ レイバック篇

普段は、カーシェアのコンパクトサイズにしか乗っていない、運転に自信のないドライバー(私)が、プレミアムなスバル・レヴォーグ レイバックを試乗してみました。まず外から見て、車体の大きさに緊張。そしてクルマに乗り込むと、ハンドルの左右に並ぶボタン群を見て、さらに緊張。心を落ち着かせるために運転しやすい座席位置に調整しようと、座席下のバーを探していたら、このクルマは電動で位置調整をするとのこと。いちいち普段のカーシェアと違います。そして、またもや助手席にはあの清水和夫氏。緊張マックスです。

ということで、そろりそろりと運転開始。高速道路に入って、いよいよACCを試します。国内メーカーは基本的に、操作ボタンのアイコンや設定方法は同じということで、直前に試乗したホンダ・N Boxで経験した通りに操作し、すんなり設定は完了しました。そして、クルマは実に自然な感覚で加減速し、カーブも滑らかに操舵してくれるので、とても安心感がありました。

レヴォーグ レイバックは車線変更も自動でできるので、そちらも試してみました。左車線を走行しながら右側に方向指示を出すと、右の車線上の前後のクルマを検知し、適切な距離と判断したらシステムが自動で車線を変更してくれます。「こ、これは、ベテラン運転手の車線変更だぁ!」 実にスムーズに、あっさりハンドルを切る。そしてドヤ顔をしない。なんて素敵!

楽しくなってしまい、今度は左車線に戻るように方向指示を出す。しかし、タイミング悪く、道路が右側にカーブしているところで、指示を出してしまいました。これは、自分だったら絶対車線変更を決断しない局面です。それでもこのベテラン運転手殿は、苦も無くスマートに車線変更。そしてドヤ顔をしない。もう一人のベテラン運転手殿の清水さんによれば、「今のは、左側に車線を変更しつつ、右カーブに対応するという高度な操作を、システムが行った」とのこと。スバル・レヴォーグの力量を解説してくれました。運転苦手ドライバーにとって、お手本のような走りを体感でき、ますます楽しくなりました。 そんな楽しいドライブもそろそろ終わり、高速を降りようと出口車線に入ったとたんに、緊急事態発生。前方にクルマがいなかったため、ACCで設定した時速80キロに向けてクルマが加速してしまったのです。慌ててブレーキを踏みACCが解除されたので、加速は一瞬で終わりましたが、慣れないとこうしたところで焦ります。それでも、右足は常にブレーキに合わせていたので、すぐに対応できました。また、一度経験すれば、次回からは早めのブレーキでシステムを解除して出口車線に向かうことができると思います。

まとめ

今回、最新のASVを試乗して学んだことは、

  • ベテランドライバーの運転のような安心感がある
  • 操作は簡単で、一度覚えれば、苦も無くできる
  • 自分の感覚と違う時には、いつでも自分でオーバーライドして、また設定し直せばOK
  • 普段は我流の運転になってしまっているので、クリニックとしても有効

慣れないために動揺する場面は多少あったものの、確実に自分よりも上手な運転に安心感があるし、上手な運転を教えてもらえて楽しいし、運転苦手ドライバーこそ試してほしいですね。

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運転に自信がないドライバーが、助手席に清水和夫氏を乗せて、最新ASVを試してみるという挑戦的な企画です。

藤井郁乃
ASV広報担当

これまでさまざまな業種・企業で広報・IR・渉外を担当。フォードジャパン、トヨタ自動車、フォルクスワーゲングループジャパンという日米欧のマスブランドの自動車会社に勤務した経験を持つ。政府の自動運転プロジェクト「SIP-adus」の広報担当を経て、現在はASV推進計画の広報担当に。運転に自信のないドライバーの視点で発信。