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試乗体験

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ACCを使ったことがない? では、運転前に試してみよう

ACCを使ったことがない? では、運転前に試してみよう

トヨタ自動車本社(愛知県豊田市)の隣にあるトヨタ会館を訪れ、セーフティシミュレーターを体験してきました(体験動画はこちら )。このセーフティシミュレーターは、レーシングゲームのように見えますが、衝突被害軽減ブレーキやACCなどの先進安全技術を体験することができるのです。衝突時に作動する衝突被害軽減ブレーキは実際に公道で試すことはできませんし、ACCは実際の動作が分からないまま高速道路で使用するのは、特に運転に自信がないドライバーにとってはなかなかハードルが高いものです。そこで、こうした機能を安全な環境で、かつ自分が運転しているかのような感覚で体験できるのがこのセーフティシミュレーターなのです。

トヨタ会館では予約制でセーフティシミュレーターを試すことができます。いざ、運転席に乗り込んでみると、実際のクルマの座席のように右下に座席の高さや背もたれの調節レバーがついていて、正しい運転姿勢を取ることができます。座席の高さ、よし。座席位置のハンドルとの距離、ペダルとの距離、よし。私が生真面目に運転前のチェックをしていたら、クルマ好きのカメラマンさんが「えっ、ペダルがオルガンじゃん!」とはしゃぎ、トヨタ広報の方が「そうなんですよ、こだわってるんです」と満足気。クルマ好き同士の会話に、運転席の私は一人置いてけぼりって感じでした。ともあれ、気を取り直して、いよいよ操作開始です。

座席横の調節レバー
オルガンペダル

まずは、衝突被害軽減ブレーキ(トヨタの呼称:プリクラッシュブレーキ)。右折時に横断歩道の歩行者や対向車線のクルマにぶつかりそうになる場面での衝突回避を体験します。自分でアクセルを踏んでゆっくり発進し、ハンドル操作も自分で行いますから、まさに運転しているかのような感覚。次の瞬間、歩行者に対して衝突回避のブレーキを機械がかけてくれて停止。急ブレーキの衝撃と音も再現されていて、なかなかリアルです。実際には「危ない!」と思った瞬間に自分でもブレーキを踏むとは思いますが、クルマが適切なタイミングで強くブレーキを作動させてくれているのが分かります。

次にレーンキープアシスト(トヨタの呼称:レーントレーシングアシスト)とACC(トヨタの呼称:レーダークルーズコントロール)を体験。高速道路を走る想定で、時速80kmまで自分で加速します。この加速感も結構リアル、って思っているとカーブに差し掛かり、ハンドルがカーブに合わせて自動で調節を始めます。しっかりと車線中央を維持してくれました。そのうち、前方に先行車が見えてきて、ここからACCの発動です。先行車のスピードに合わせてクルマは自動で減速。その後はぴったり一定の車間距離を保つスピード調節をしてくれます。また、レーンキープアシストが車線中央を維持してくれるので、ハンドルに手を添えるだけで積極的な操作をしなくても追従走行が可能です。これまで試したことのない機能を、ただでさえ気持ちのゆとりがない高速道路でやってみるのは絶対無理と思っている方は、ぜひこのセーフティシミュレーターで試してほしいですね。ちなみに、誰がやっても同じようになるわけではなく、ACC発動中に一旦ブレーキを踏むと機能が解除されるなど、実際の運転環境を忠実に再現しています。

最後は、アダプティブ・ハイ・ビーム(トヨタの呼称:オートマチックハイビーム)。運転苦手ドライバーの私は、以前、夜に山道を走るはめになった際、急カーブの連続に対応するのが精いっぱいで、ヘッドライトをローにしたりハイにしたりなんて到底無理、ということで、ずっとロービームでフロントガラスにかぶりついて運転していた経験があります。それ以来、クルマでの遠出は、日没前に帰るようにしています。。。それが、アダプティブ・ハイ・ビームは、対向車を検知して自動でローに切り替え、通過したらまたハイビームにして遠くまでの視界を確保してくれる。トンネルに入ったらまた自動でローにする。夜道を走らなくなっていた私としては、これがあれば日没を気にしながら帰る時間を早めにするなんて自主規制はしなくていいかも、とうれしくなってしまいました。っと、思った瞬間、最後に待っていたのは、暗闇の中で道路を横断する歩行者!! 私のブレーキは完全に遅れましたが、トヨタのプリクラッシュブレーキが危機を救ってくれました。最後に一番ヒヤリとする場面を持ってくるシナリオはなかなかですね。

トヨタ広報によれば、このセーフティシミュレーターはトヨタの販売店に設置されているところもあるようですので、もしお近くにあればぜひ体験してみてください。

トヨタ会館でのセーフティシミュレーター体験動画は、こちら

ACCとレーンキープアシストを公道運転で試した試乗動画では、実際の設定操作なども見られます。併せてお楽しみください。

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運転苦手ドライバーの中にはASVを使ったことがない人が多くいます。運転前に体験できるシミュレーターを試してみよう。

藤井郁乃
ASV広報担当

これまでさまざまな業種・企業で広報・IR・渉外を担当。フォードジャパン、トヨタ自動車、フォルクスワーゲングループジャパンという日米欧のマスブランドの自動車会社に勤務した経験を持つ。政府の自動運転プロジェクト「SIP-adus」の広報担当を経て、現在はASV推進計画の広報担当に。運転に自信のないドライバーの視点で発信。